高校の11年生の年齢から入学できる大学が、マサチューセッツ州にあります。NY市にも同じようなプログラムがあります。
同じBard Collegeとニューヨーク市教育委員会(the New York City Board of Education)が協力して2001年に始めたBard High School Early College (BHSEC)と呼ばれるプログラムでは、ニューヨーク市住民の16歳以上の高校生が4年間で短大卒業資格(Associate degree)を取得できます。このプログラムの修了者は、全米の4年制大学に転入学(transfer)することが出来ます。現在、ニューヨークのManhattanのキャンパスで約500名の生徒が学んでいます。
また、2008年にQueensに開設されたBHSECⅡと呼ばれる姉妹校では、9年生からのプログラムを提供しています。
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上の二つの教育プログラムは、高校教育、特に11・12年生の勉強が大学入学準備になっており、優秀な高校生にとっては「退屈」なものになっている、という問題点への解決策のひとつとして作られたものです。
別の解決策としては、高校で大学レベルの勉強をして大学の単位として認めるAPプログラムがあります。毎年、APの単位を多く取得した高校生(約3万人)が大学2年生や3年生として大学に入学しています。
ここで紹介した教育プログラムは、「優秀で努力する高校生に、よりレベルの高い学習をする機会を与える」という「アメリカの平等」の考え方を反映したものです。
このようなプログラムは、「横並び平等」の日本では「英才教育」として、積極的に推進されていません。大学へ18歳以下で早く入学している高校生は、日本全国で数名にしか過ぎません。(ただし、帰国子女は16・17歳でも入学できます。)
横並びの「ゆとり教育」からの脱皮を目指す、新しい教育についての提案が多く出されていますが、ここで紹介したような(日本から見ると極端な)「出来る子をさらに伸ばす」の話は、聞いたことがありません。
人材と技術革新で伸びてきた日本は、これからどうなるのでしょうか?
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