2009年1月16日金曜日

015 全米統一学力テスト

 アメリカの国全体の子ども達の学力を調べるための統一テストが実施されています。

 全米の州が実施する統一試験では、州ごとに異なるカリキュラムに基づいた、州独自の問題が出題され、その成績が公表されます。
 この州の統一試験では、各州の児童生徒の学力の実態はわかりますが、州による違いや全米(国)レベルでの動向をつかめません。そのために実施されているのが、NAEPと呼ばれる「全米統一学力テスト」です。

 NAEPの試験は、3種類あります。
 1、全米の児童生徒の学力の動向を調べる試験は、全米約500の学校の1万~2万人の児童生徒を対象に、毎年冬に実施されています。
 2、各州と全米の成績を比較する試験は、全米から選んだ約50地域ごとに約3000人の児童生徒が参加して、毎年、冬に実施されています。
 3、全米の91317歳の子どもの学力の動向を長期的に調査するための試験は、秋・冬に行われます。

 試験科目は、mathematics, reading, science, writing, the arts, civics, economics, geography, U.S. historyですが、一人の子どもはこれらの中の1科目を90分で受験します。

 全米の児童生徒の試験ができないので、試験地域(市街地や郊外など)・受験者(人種・英語力など)の選定は、統計的手法を活用して、決められています。

(データ:http://nces.ed.gov/nationsreportcard/about/

  NAEPの結果が最も活用されていてるのは、各州の統一試験の保護者が受け取る成績表です。
 その成績表の中に、お子さんの試験成績が州のスタンダードで見るとどの程度の評価になるかが明記してあります。それにあわせて、NAEPでの評価も記入してある州の成績表があります。両方の評価を比較することで、お子さん自身の出来具合と、州の教育の現状が把握できます。
 州の統一試験結果を、よくご覧になってください。

 また、日本でも、文部科学省が実施する全国レベルの「学力テスト」に加えて、都道府県や市町村が独自の学力試験を行っています。その試験の実施趣旨は、州と連邦が実施する二つの「学力テスト」と同じです。

 日本も、アメリカも、「学力テスト」で計れる「学力」を指標にして教育行政を進めていく動きが顕著になっています。そして、これらの「学力テスト」は実施の背景には、教育のグローバル化があること確実です。

 世界中を巻き込んだ「金融危機」を見て、「教育のグローバル化」の先が心配になりませんか?

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