2009年1月13日火曜日

012 アメリカ:教育に投資

 アメリカ議会の金融危機への対策についての議論中で、財政再建のために「教育に投資」という意見が強くなってきました。

  1930年代の大恐慌以来といわれる金融危機への対策で、巨額の税金を投入し、経済・財政を立て直す政策の議論が続いています。

 その議論の方向には、20日に大統領に就任するオバマ氏の政策方針が大きく反映されています。オバマ氏は、今回の経済危機に対する緊急対策は絶対に必要だが、その対策は次の大きな飛躍をもたらすものにするべきだ、と主張しています。急激に増加した失業者の雇用創出と深刻化する環境問題を一石二鳥で解決する「グリーン・ニューディール」の提案は、その典型です。

 それに加えて、同じ考え方に基づいた「教育への投資」が、真剣に議論されています。目前に危機に対する対策を、近い将来の飛躍の原動力にするためには、新技術の研究・開発などへの投資と並行して、子ども達の教育のために税金を投入するべきだ、という主張です。議論の中では、「中学生、特に女の子の理数科教育への投資」など具体的な例が出されていました。

 新大統領の明確な方針と協力的な議会の努力で、「教育への投資」の具体的な政策が決定されるのは時間の問題です。

 このホリデーシーズン中、カゼを引いたおかげで、アメリカの議会の審議や公聴会を中継しているC SpanというTV放送をじっくり見る機会に恵まれました。
 金融危機や財政の問題解決のためですが、目先の問題だけではなく、近い将来の飛躍のために真剣に議論している政治家や専門家の姿や、「教育」の議論に興味をそそられ、中継を楽しみました。

 国民の半数以上の人が「必要ない」と反対している「定額給付金」はどうなるのでしょうか?そのこで、ばら撒く2兆円のほんの一部でも「教育に投資」するとという意見すら出てこない、日本の政治で国の「近い将来」はどうなるのでしょうか?

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