2009年1月5日月曜日

004 不法移民は、市民より授業料が安い?!


 「他州出身のアメリカ市民の学生の授業料が不法移民の学生の授業料より高いのは、合衆国憲法に違反している!」と訴えた裁判が、カリフォルニア州最高裁で審理されることになりました。
 (Los Angeles Times, January 5, 2009)

 昨日と同じ、カリフォルニア大学の、州民生と州外生の授業料の違いのニュースです。

 少しややこしくなりますけど、他州の高校を卒業してUCに入学したアメリカ市民の学生は「州外生の授業料」、一方、カリフォルニア州の高校を卒業した正規のビザを持たない不法移民の学生は「州民生の授業料」という、カリフォルニア州の法律が2001年に施行されました。
 この法律の合法性を、カリフォルニア州最高裁が取り上げ、審理することになった、ということです。

 実はこの法律の恩恵を受けているのは、22万人のUC学生の中の1600人ほどで、正確には確認でませんが、さらにその内の3割程度が「不法移民の学生」だと思われています。
 ですから、この裁判は、法律上の問題よりも、政治の問題としての影響が大きいと言われています。その理由は二つあります。一つ目は、同じようなルールが、オクラホマ・ニューヨーク・テキサスを含む10州で適用されているので、カリフォルニア州の動向がこれらの州にも影響を及ぼすことです。もうひとつは、1996年に不法移民に厳しく変えられた連邦の移民法に違反すると主張する人たちと、不法移民の生活と権利を主張する人たちの政治的な対立点となっていることです。

 このニュースで紹介されている法律は、正規のビザ所有者である皆さんには適用されませんので、お間違えなく。 

 ただし、ニュースからは少し話がそれますが、UCの場合は、保護者が働けるビザ(B、Eビザ)を保持し、お子さんが21歳以下同じビザを持ち、他のいくつかの条件を満たせば、安い「州民」としての授業料で済む場合があります。もちろん、私は専門家ではありませんので、詳細はUCに問い合わせてください。
 また、皆さんがお住まいの州立大学で、同じような、ひょっとするとお子さんの授業料が安くなるような、法律・ルールはありませんか?
 昨日のこのブログの話しが気になるお父さん、一度調べてみられては?

  この話、何度か、日本の大学関係者に紹介しましたが、「アメリカは解らん!」と言われるばかりでした。
 皆さんのご感想は?

0 件のコメント:

コメントを投稿