授業料の高い州外生や留学生を増やして、州立大学の財政危機を乗り越えよう!
こんな動きをカリフォルニア大学が採用する、との報道がありましたので、紹介しましょう。
(Los Angeles Times, January 4, 2009)
州立カリフォルニア大学(University of California、UC、10キャンパス)では、不況・経済危機の影響を受けた州財政の再建策で、大学経営が財政的に苦しくなってきました。その改善策のひとつとして、州民の授業料年間8100ドルに加えて州外生(out-of-state student)としての追加授業料2万ドルを払わなければならない他州や外国からの新入生・転校生の数を、全体の10%まで増やそうとしています。
追加額の2万ドルの内訳は、「州民の学生一人につき州の補助額1万ドル」と「州にとっては余分の収入となる1万ドル」の合計です。UCの定員は22万人ですから、その10%の州外生から1万ドルずつ余分に授業料が入ると・・・。ずいぶん余裕が出ることになるそうです。
州外生は入学にあたり州民に較べてより高い学業成績(GPA)や統一試験(SATやACT)成績の成績を要求されていますので、より優秀な学生が獲得出来る、また学生の多様性(diversity)を豊かにするなどの理由も、この提案の背景にあります。
実は、この州外生増加作戦は、カリフォルニア州だけではなく、大学生人口の減少や9・11テロ後の留学生ビザ発行引き締めの影響で学生数が減少傾向にある中西部や北東部の州立大学ですでに実施されているとのことです。U of Vermonot 65%、U of Clorado, Boulder 45%, U of Michigan, Ann Arbour 34%、U of Oregon 34% と、いくつかの州立大学では、その作戦が成功しているそうです。
(私の早稲田大学の授業の受講生の短期留学先に、オレゴン州立大学が入っている理由が、、これでわかりました!)
もっとも、カリフォルニア州では、「優秀な州民の高校生を、UC入学から締め出すことになる」「移民の州民が多く、Diversityには十分恵まれている」と反対する意見も、多くあるようです。
それにしても、カリフォルニア州の経済規模は、世界の国と比較しても7番目くらいに大きいと聞いています。その国(州)の州立大学の財政難を、他の州や国からの学生の力で解決、とは?
この州外生増加作戦、これから、どうなるか、注目していきましょう。
実は、このLA Timesの記事がすぐ目についたのは、「円高、何年くらい続くかなー?出来れば息子をUCに留学させたいのだけど」との相談を、つい2週間ほど前に東京で友人に聞いたからです。
「大学はアメリカで行かせて!」と、高校生のお子さんにせがまれている、滞在が長くなったお父さん、興味ありますよね?この話題。
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