「アメリカの歴史に残る今日、わが校を訪問していただき、光栄です。」
昨年の11月4日の私達の訪問を、現地の小学校の若い女性の校長先生が笑みをたたえて、出迎えてくれました。
その時、その学校の講堂は、大統領選挙の投票所でした。
「今日の大統領選挙では、民主党が勝てば『初の黒人大統領』、共和党が勝てば『初の女性副大統領』が生まれます。どちらが勝っても、歴史に残る日ですよ!」
そして、オバマ候補が大統領に選ばれ、今日がその就任式の日です。
原稿なしでの約20分のスピーチでしたが、アメリカの歴史を振り返り、建国の理念を再認識し、現在の混乱した国や世界を変えていこう、というメッセージを伝えました。
「学校教育は多くの人たちに十分ではなかった」と振り返り、「新しい時代のニーズに応えるべく、学校や大学を改革していく」と、教育についても強いメッセージを伝えました。
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アフリカ出身の黒人の父とフランス系の白人の母との間にハワイで生まれ、インドネシアに移住したり、豊かでない子ども時代をハワイで母方の祖母に育てられた時期もあった新大統領です。
初の「黒人大統領」と呼ばれ肌の色が強調されますが、実は、いくつかの文化の影響を受けてアメリカ人として育ちました。その経験が、この大統領を、多文化・多民族のアメリカ合衆国の現実を正確に反映しているリーダーとなるのではないでしょうか?
政策の議論では、イデオロギーではなく「そのプログラムで、結果が出せるかどうかが重要」と、党利党略を乗り越えた、現実的な対応をしています。人種・宗教・思想などの既成の枠組みにとらわれるのではなく、新しい考え方で前進する、という考え方です。
これは、異文化社会で生活した人が持つ、複眼的な視点・考え方です。それは、海外で育った子どもたちが自然に身につけている「宝」です。
日本の政治の世界でも、海外で育った子どもたちが活躍する時代が早く来てほしいと、願います。
その時に、オバマ氏が大統領に選ばれた日と、宣誓し大統領に就任した日が、私にとって「歴史に残る日」となります。
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