2009年2月1日日曜日

031 現地校:読書の大切な理由

Q: 対米1年、現地校2年生の子どもですが、学校から毎日のように本を持ち帰ってきて、読書の宿題が出ています。
 読書指導はありがたいのですが、英語力も不十分なので、苦労もするし時間もかかります。
 日本と比べて,リーディング(読書)を大切しているようですが、こんなに力を入れるのはなぜでしょうか?


 A: それは、アメリカの教育は「本を読めること」を前提としているからです。

 小学校低学年では大きな差は目立ちませんが、高学年になると、日本とアメリカの教科書の厚さ(ページ数)に大きな開きが出てきます。たとえば、5年生の社会の教科書を見てみると、日本は合計100ページほど、ところがアメリカでは500ページを優に超えます。
 この差は、アメリカの教科書は「貸し出し」で1冊の本を何年も使うのに対して、日本では「給付」(無料であげる)なのでページ数を少なくして本代を安くするという経済的な理由もあるでしょう。

 しかし、その差の根底には、授業の進め方、子ども達に身につけさせようとする学力の違いがあります。

 思い出していただければ分かりますが、日本の教室では、薄い教科書を先生が1行毎に説明をして、子ども達はそこに書いてある内容を理解し、書かれた事柄をしっかり覚えることを求められます。

 一方、アメリカでは、先生がすべてのページを説明することは不可能です。重要事項の学習は、子ども達が教科書を読み、その内容をプリントに記入する家庭学習で行います。そして、先生は教室でをその内容を説明・確認します。このようにして学習の主体を子ども自身に任せ、余裕の出来た授業時間を教室内でのディスカッションなどのスキルにトレーニングに活用します。

  このアメリカの教科書の使い方は、子ども達に「情報・論理」の読み取る力を要求します。そのための初期のトレーニングとして、低学年での「楽しい読書(Reading for Fun)」が強調されています。

  日本に帰国した子ども達が「アメリカでは本をよく読んだ」と振り返り、日本の子ども達以上に読書習慣が身についているのが「宝」になっています。

 お子さんの側で一緒に読書をして,「Reading」を応援してあげてください。

0 件のコメント:

コメントを投稿