オバマ大統領の教育への積極的な財政支出の知って、「米百俵」の話を思いだしました。
大恐慌以来といわれる経済危機の中で登場したオバマ大統領は、アメリカの再建と更なる発展の基礎の一つとして教育を上げました。そして、教育のために巨額の財政援助と予算を組みました。
その精神は、日本の「米百俵」の精神と通ずるものです。
幕末の時代に戦争で疲弊し生活にも困窮する長岡藩へ、窮状を知った隣藩から百俵の米が贈られました。この米を生活のために費やすのではなく、藩の国漢学校の書籍や器具の購入に当てられました。
その精神を、山本有三は戯曲「米百俵」の中で、小林虎三郎に次のように語らせています。
「この米を、一日か二日で食いつぶしてあとに何が残るのだ。国がおこるのも、ほろびるのも、まちが栄えるのも、衰えるのも、ことごとく人にある。……この百俵の米をもとにして、学校をたてたいのだ。この百俵は、今でこそただの百俵だが、後年には一万俵になるか、百万俵になるか、はかりしれないものがある。いや、米だわらなどでは、見つもれない尊いものになるのだ。その日ぐらしでは、長岡は立ちあがれないぞ。あたらしい日本はうまれないぞ。……」
このセリフの「長岡・日本」を「アメリカ」に置き換えると、大統領の演説の精神を代弁していると思います。
皆さん、そう思いませんか?
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この長岡藩の国漢学校は、その後、現在の長岡市立阪之上小学校に引き継がれました。
実は、新潟地震の少し前に、私はこの小学校で「アメリカの教育」についてお話をしたことがあります。そんな縁で「米百俵」のことをよく憶えていました。
「米百俵」は、小泉首相が国会の演説で使い話題になりました。その小泉さんも引退とか。
「教育は百年の計」と、長期的視野に立った教育を訴える日本の政治家はいるのでしょうか?
そんなわけで、オバマ大統領は日本でも「希望の星」??
米百俵に興味のある方は、 「米百俵の精神」(長岡市HP) へどうぞ。